【自然×アート】大谷資料館ー宇都宮はやっぱり餃子のまちだったー
「地球に抱かれて...」みたいな歌詞とか詩ってよく聞くけど、まさにそんな感じ。
ひんやりとした地下空間からは、泰然とした自然の偉大さと、先人たちが江戸時代から年月をかけて石を切り出してきた苦労を感じることができた。
むき出しの岩と、切り出された石、震えるほどではないが上着があると肌が安心する気温。これら全ての環境の変化が地上空間との違いを際立たせており、神秘的な感じがした。
元バイト先の友達に会いに宇都宮へ。
宇都宮って餃子のイメージしかなかったけど、結論、やっぱり餃子のまちだった。
宇都宮駅の周りにはいくつか大きな商業ビルがあり、いわゆる典型的な地方中核都市という感じが否めない。なんとなく柏駅周辺を思い出した。
『宇都宮 観光』で検索しても、行きたいと思える所はほとんどなく「強いて言えば」大谷資料館かな、という程度で行ってみたのだが...以外と面白かった。
大谷資料館の説明はホームページに詳しいため、詳細は割愛するが、要は大谷資料館は江戸時代から続く採石所である。大谷石という流紋岩質の凝灰岩を切り出しており、その空間が現在、資料館として残っているのである。
「面白かった」のはもちろん空間が神秘的で壮大だから、というのもあるが、理由は他にもある。
それは「アート」とのコラボ。
地下空間は暗いため照明がついているのだが、暖かい暖色系の光を基本としながらも、時折青白い光を組み合わせており、幻想的な空間が演出されていた。
ステージのような所ではトランペットを使ったパフォーマンスなども行われていた。
その他にもOMEGA、BMW、Benzなどのレセプションや結婚式などの会場としても使用されているらしい。
プロジェクションマッピングも行われていた。
また、昔から映画やCMの撮影で使われる事も多く、自分たちの世代でいうと東方神起のPV、LIAR GAME、るろうに剣心、勇者ヨシヒコシリーズ、三代目J-Soul BrothersのPVなどで使われたらしい。もちろん仮面ライダーシリーズなどのアクションものでも。その時の様子が写真で展示されている。
少し話が逸れたが、歴史ある観光資源と現代アートのコラボは、その異質性が両者を際立たせて相乗効果を生みだすため、非常に有効だと感じた。
お城などの建造物はその歴史性がビジュアルとして理解されやすいが、特に大谷資料館のような資源は他との違いが認識されにくく、その重要性が伝わらない。
特に洞内空間のような暗い空間では光を活用したアートが多くみられ、人気となっている。
ただし、「観光客の増加による資源の劣化」が問題となっているケースも多く、例えば山口県の秋芳洞では洞内環境及び鍾乳石の劣化が指摘されている(というか研究室の先輩が研究している)。
入場制限や禁止行為による制限をできるだけ少なくし、観光の活性化と資源の保全を両立させる道を探りたい。
余談だが、資料館周辺には大谷寺という寺があって、大谷観音が祀られている。なんとも日本最古の石仏で、弘法大師が掘った千手観音なんだとか。合掌はできたが、日本遺産に登録されるほどの貴重なものらしく撮影は禁止された。
さらに余談だが、大谷には2人の観音様(大谷観音と平和観音)がおり、平和観音の方はいつでもお目にかかることができる。
こちらは昭和20年代に東京芸術大学の先生と大谷の職人が作ったものらしい。27メートル?でとても大きかった(少し身長分けてって念じておいた)。
そんな意外にも(?)楽しい宇都宮観光だった...
p.s. 友達がいなければ宇都宮にいくことは無かっただろうな...観光よりも喋っている時間の方が長かった...(2年ぶりくらいに会った)